こんばんは。
土見です。
9月30日より塩竈市議会9月定例会が始まりました。改選後初めての定例会で、会派構成や座席、所属の委員会などが新しくなり、心機一転、すっきりとした気持ちで初日を迎えております。
今回の定例会のメインは平成30年度の決算ですが、最大の注目はやはり新市長の施政方針。新しい市長がどの分野に力を入れて市政の舵取りを行っていくのか、どのような施策を打ち出してくるのか、施政方針演説と、8人の議員からの施政方針に対する質問の中で明らかになっていくと思います。
施政方針演説
定例会初日である本日は、議案の説明の冒頭、新市長から施政方針が示されました。詳しい内容は塩竈市のHPにアップされるのを待とうと思いますが、人口減少・少子高齢化の進展を喫緊の課題と認識し、
人口減少を抑制する確かな道を切り開くためには、まずは子育て支援や教育のさらなる充実、産業の再生、そして市民の皆さまが明るく元気にお暮らしいただける地域社会の構築が最重要課題であると捉えております。
とし、市政運営の基本的な考え方として5つのキーワード、10つの施策の方向性に分けて述べられていました。以下に要点だけを掻い摘んで記載してみます。
キーワード(基本的な考え方)
- 『ずっと塩竈』:住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けられるよう、子どもたちの健全育成や教育の充実・活躍の場の創出に取り組む。
- 『元気な塩竈』:民間企業と連携した市民の健康維持のサポート。地域全体で支える仕組みづくりを検討する。
- 『力強い塩竈』:水産・水産加工業のPRと商店街の再生に努める。
- 『楽しい塩竈』:地域の魅力を最大限に活かして、住民も来訪者も楽しく笑顔になれるまちづくりに取り組む。
- 『コンパクトシティ塩竈』:コンパクトで利便性の高い市街地特性と民間の力を活かした新たな視点でのまちづくりに取り組む。
施策の方向性
- 『教育力の向上』:地域全体で子供を育てる意識の醸成。一人も見捨てない教育の実現。社会をたくましく生き抜く力の育成。動特性を養う教育の実施。ふるさと教育。
- 『健康寿命の延伸』:ウォーキングポイント制度の導入、健康づくりのための環境整備。人材バンク制度の創設の検討。
- 『産業再生・創生』:みやぎの台所・しおがまのPR。水産加工業における働き手の確保、販路開拓、経営安定化の支援。地産地消・地消地産の推進。持続可能な魅力ある個店づくりや空き店舗・空き地再生活用策の検討。体験型観光資源の開発や受け入れ体制の整備。シビックプライドの醸成。
- 『夢と希望、空間創出』:港町地区と北浜地区を結ぶ導線の整備の実現可能性の追求。マリンゲート塩釜から北浜緑地までのエリアの交流拠点としての利活用。公共施設を有効活用した音楽やダンススタジオなどの整備の検討。
- 『子ども・子育て支援』:子育てに関わるワンストップ相談支援拠点の設置。子育てコンシェルジュの配置の検討。”不登校”や”ひきこもり”、”いじめ”などの改善に向けた取り組みの実施。スポーツ奨励基金の創設の検討。
- 『公民連携、公共施設の在り方検討』:公民連携デスクの設置。庁舎の再編に向けた検討。市民農園やドッグランの設置、多様な樹木を活用した色彩空間の演出などによる公園の再活用。歩道に東屋を設置。
- 『歴史・文化継承』:地域の成り立ちに光をあて、歴史的建造物の特徴を活かしながら、歴史・文化を継承。
- 『医療・福祉』:地域包括ケアシステムの構築。健康寿命の延伸を図るための支える医療の構築。
- 『浦戸振興』:浦戸再生プロジェクトの創設。
- 『地域創意工夫』:空き家対策、リノベーション助成制度の検討。積極的な情報の共有と職員研修制度の充実。
まだ施政方針演説を聞いただけの段階ですので、市長の考えを深堀りは出来ていませんが、産業振興と公共空間の利活用については様々腹案をお持ちであるかたわら、教育や子育て、医療・福祉、歴史や文化の継承、浦戸振興については、これから詳細を検討していくという印象を受けました。私個人としては、市民との情報共有や連携、職員研修の充実などを重視されている点について強く共感をもてた施政方針でした。
市長就任直後ということもあり、全体的に中長期的な計画がぼやけている状態ではありましたが、今後計画を詰められ、2月定例会においてどのような新年度施政方針を新たに示されるかを楽しみにしていようと思います。
10月2日からは、施政方針に対する質問が始まり、質疑応答の中で具体的な市長の考えが明らかになっていくと思います。各議員の質問内容は質問一覧をご参照ください。
”財政調整基金の積立”と”施策の実施”、どちらを優先するのか?
議案に対する総括的な質疑として、志賀議員からとてもいい質問がなされました。
”財政調整基金の積立”と”施策の実施”、どちらを優先するのか?
財政調整基金は、災害対応など急な出費に備えて積み立てて置く基金です。一方、限りある歳入の一部を財政調整基金の積立に充てているため、実施できない施策も出てきます。
新市長がどこに重きを置いて市政を運営するのかか垣間見える良い質疑でしたが、総括的な内容であったため、答弁は「財政調整基金の積立は必要。ただし、重要な施策があることも認識している」というような内容に終わってしまいました。これから審議が具体的な内容に進むにつれて、改めて問い直したい質問でした。
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